オガオガワールド

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獣のうた

森の中の
薪ストーブがある小さな小屋で
夜を心待つ

灯りは黄色い小さな電球一つ

ストーブのやかんに徳利をさして
地酒の「霊山」をちびりとやる

暗くて、つまみの色なんてわからない
味が酒に合えばそれでいい
テーブルの上にあるものは、すべてがセピア色


外の雑木林に潜む
タヌキやキツネや猿と同じ目線になる

灯が明々とつけば
獣たちに覗かれ見透かされる
こちらからは見ることができない獣のすがた/こころ

人はむかし獣だった

忘れよう都会、付き合い、しがらみ・・・・
そのとき一瞬でも獣に還ったら
都会に帰ったとき、思い出すだろう

明々と燃える街、不夜城
そこは獣の標的になる


思い出せよ、人はむかし獣だったことを