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老化と病気治療

がんは治療せず放置するとかえって痛まないと、中村仁一さんの本に書いてありました。
年をとってからは病気ではなく老化。老化は治らないし、無理に直そうとすると痛む。
子育てがある、仕事をしなければ家族を養わなくてはならない、だから病気を治療するのだ、とも。
なるほど、死を迎えるにあたって、だんだん老いていくのを無理に引きとめて治療しようとすると
痛みが出て抵抗する。何かわかるような気もします。
病院のベットに点滴や、人工呼吸器、 胃瘻(いろう)して管がたくさん体につながれて、意識がない老人を見ると、
そうまでして生かさなければならないのか?と思ってしまいます。
延命を全否定するものではありません。何とか生き返るのではないか。
特に、まだ若い人で、子育てや仕事をやり残している人であれば、医学の発展にも期待してというのはわかります。しかし、平均寿命を越えている人が多額の医療保険を使用して、元に戻る可能性がないのに治療を続けて
いくべきなのでしょうか。もし、尊厳死を望む場合、日本であれば、本人の意思を確認する必要があります。
もちろん、意識がなくなっている場合、確認する方法がありませんので、日本の法律では延命した場合
止めることができないらしいのです。家族が看病で疲弊しても、お金が尽きてもです。
このようなことにならないためには、ひとつは、意識があるときに、そうなった場合の対処について告知して
おくことです。リビングウィルといって、公正証書に書き遺したりする方法があります。
最近話題のエンディングノートに書いておくことも一つの方法です。
亡くなってからの臓器提供も本人の意思が尊重されます。
臓器提供の拒否もできますし、意志カードに提供する内容を書き遺しておくこともできます。
治療がしたくてもお金がなくて治療ができないこともあります。
テレビ局がドキュメンタリーで放送した「がん患者、お金との闘い」に、生々しい話が書かれています。
資産をある程度蓄えていれば問題ないのですが、持っていてもすぐに現金化できなければ意味がありません。
治療に関わる資金は保険などで保障を準備しておくのが賢明です。
保険も本当に必要な保障に入っているか、無駄な保障はないか、しっかり確認することです。
まず、自分の老後を想像して病気や延命などについて考え、必要ならば告知しておくことをお勧めします。
いざという時に混乱したり間違った判断をしないためにも事前に家族で話し合っておくことです。

参考資料
「終活ハンドブック」本田桂子著(PHP)
「がん患者、お金との闘い」札幌テレビ放送取材班(岩波書店
「どうせ死ぬならがんがいい」中村仁一・近藤誠著(宝島社新書)
「大往生したけりゃ医療とかかわるな」中村仁一著(幻冬舎新書