お年寄りの自殺

末期がんで、がんの痛みに耐えかねて
自ら命を絶った方の話を聴いた。

がんは、痛みがあるものとそうないものとがあると聞く。
中村仁一氏が書いた｢どうせ死ぬならがんがいい｣(宝島社新書)という本に
治療をしない方がいい、そのほうが痛みがないようなことが書いてある。
もちろん、痛みが強く起るがんもあるだろうし、
がんの種類によって、その人の年齢や考え、医者の方針によっても
治療は変わるもののようだ。
しかし、自ら命をたつほどに追い込まれるということはなぜなのだろう。
治療したくても治療費がなかったのか。
治療しても痛みが治まらなかったのか。
いづれにしても、一人で悩み苦しんでいたとしたら
どれほど辛かったことだろう。

治療費の負担に苦しむ患者の話は、
札幌テレビが取材した記録本｢がん患者、お金との闘い｣(岩波書店)
に、リアルに記録されている。
私も保険取り扱いをしているが、治療するにしてもしなくても、
診断給付金がもらえるがん保険には、年齢が若く、保険料が安いうちに
入っておけば、いずれの場合も保険料の範囲でだが対応できる。

痛みの件だが、がんの種類で異なり、個人差もあるという。
特に高齢の場合で、治癒が望めない場合は、
緩和ケアを勧められている。
モルヒネなど麻薬を使う場合もあるが、治療法を間違わなければ、安全で
痛みもある程度とれるらしい。

いずれにしても、家族や医者、介護関係者と十分に話をしながらであれば
命を絶つことも避けられたのではないか。
熊本にも「がん相談支援センター」や｢がんサロン」があり、
がん患者の悩み相談や患者同士の情報交換の場になっている。

健康なうちに、
自分ががんになった場合どうすべきか
その準備はできているか
一度考えておく必要があると思う。
生涯のうちに2人に1人ががんになり、3人に1人ががんに関係して亡くなる時代
子育て中か、退職してからかで
治療の仕方も変わるだろうし
その時の治療費などの金額もかなり違ってくるだろう。

いづれにしても、一人悩むのではなく、
専門家や経験者、家族に悩みを打ち明けてほしいものだ。